ズーノーシス2
2015/04/22
こんにちは!みなさんお元気でしょうか?
予防シーズンはまだまだこれから!ということで
前回は犬が関わるズーノーシスについて書きましたが
今回は猫が関わるズーノーシスについて書きたいと思います
☆猫ひっかき病☆
猫にひっかかれたり咬まれたりすることで猫から人へと感染するズーノーシス。
バルトネラ菌という細菌が傷口から人の体にはいることで感染。
≪症状≫
この菌はノミによって運ばれるので、この菌に感染したノミに刺されて感染することもある。
猫がこの菌を持っていても無症状だが、人では傷口がズキズキと痛み
傷口に近いリンパ節が3日~1週間くらい経ってから大きく腫れるのが特徴で
発熱を伴うこともある。バルトネラ菌の特効薬を投与すれば症状は治まる。
≪対策・対応≫
・猫と遊ぶ時はひっかかれないように爪を切っておく。
・菌の運び屋となるノミを退治する。
・ひっかかれたり咬まれたりした場合は、水でよく洗い消毒する。
・痛みが激しかったりリンパ節が腫れたりしたら早めに病院へ行く。
☆トキソプラズマ感染症☆
さまざまな動物に感染するが、猫だけが感染源となる虫卵を糞便中に排出する。
人へは、猫の糞便や豚や鶏などの生肉の中に含まれるトキソプラズマの虫卵が
口から体内に入ることで感染。
≪症状≫
猫が感染してもほとんど無症状で、人でも健康なら無症状かリンパ節が腫れる程度。
気づかぬうちに感染していることが多く、成人の約30%は感染歴があり
すでに抗体を持っているとされている。
≪対策・対応≫
猫がトキソプラズマの虫卵を糞便中に出すのは感染後の1~3週間なので
その期間を過ぎれば猫からうつる心配はほとんどない。
猫が感染していたとしても、駆虫薬を飲ませれば治療できる。
・猫のトイレの処理に気をつける。
・生肉を食べない。
・生肉を扱った包丁やまな板はしっかりと洗う。
☆パスツレラ症☆
健康な猫や犬の口の中に正常に存在するパスツレラ菌によって感染するズーノーシス。
咬まれたりひっかかれたりして人の体の中に菌が入ると
痛み、腫れ、化膿などの症状が出る。
≪症状≫
この病気の特徴は、咬まれた後、早いものでは15分くらいで傷口が大きく腫れることと
特徴的なにおいのする膿がでること。
空気中の菌を吸い込んで呼吸器感染症になることもある。
パスツレラ菌には特効薬があるので、それを投与することで症状は治まり回復する。
≪対策・対応≫
パスツレラ菌は猫の口の中に100%存在するといわれている菌だが猫には全く無害。
予防の為には、咬まれたりひっかかれたりしないように注意し
ペットとのキスや口移しで食べ物を与えないようにする。
また、咬まれたりひっかかれたりした場合は傷口を水で洗った後消毒し
腫れがひどい場合は早めに病院へ行く。
☆腸内寄生虫☆
猫の体の中にすみつく内部寄生虫のうち、小腸や大腸など消化管の中に寄生するもの。
回虫・鉤虫・瓜実条虫が代表的。便と一緒に虫体が出て発見されることが多い。
猫の腸内寄生虫の中には、人に感染するものもあり
幼児や抵抗力の弱い人が感染すると、まれに重い症状が出ることがある。
≪対策・対応≫
ノミが運び屋となる条虫では、条虫の駆虫だけでなく
ノミの退治も合わせて行わなければ完全には予防できない。
そして、多頭飼育の場合は、全員が検査を受けて、一気に全員の駆虫を行わないと
解決にならず、うつったりうつされたりを繰り返してしまう。
人への感染を断ち切るためにも、定期的な駆虫でペットの感染を予防することは効果的。
手洗いは基本(爪の間までしっかり)。しぶとい虫卵も、石鹸で洗い流せば取り除ける。
動物たちと一緒に暮らすということは、メリットもデメリットもあります
デメリットともしっかり向き合ってうまく付き合っていけるといいですね
そして、動物たちと幸せな生活を送れるよう頑張りましょう
ズーノーシスについて
2015/04/04
みなさんこんにちは!そろそろ狂犬病の予防接種やフィラリアの予防の季節ですね
しっかりと予防して病気に負けない体作りをしていきましょう
今回は予防シーズンということで、人獣共通感染症について書きたいと思います。
人獣共通感染症は世界保健機構によると
「脊椎動物と人の間で自然に行き来することができる病気または感染」と定義しています。
つまり人と動物に共通する病気のことです。
別名、人畜共通感染症、動物由来感染症、ズーノーシスとも言われています。
《主な感染経路》
*経口感染(飲食等による)
*経皮感染(皮膚から感染)
*飛まつ感染(ほこりなどに混ざって吸い込む)
*創傷感染(傷口から)
《犬が関係するズーノーシス》
☆狂犬病
人への感染経路・・・狂犬病ウイルスを保有する動物に噛まれることによって感染。
ズーノーシスの中で最も有名で最も危険なものの一つです。
その名前から誤解されていることが多いのですが、狂犬病は犬だけではなく、
すべての哺乳類が感染し、保菌者となって感染を広げる危険があります。
日本は今、狂犬病の発生はありませんが、海外では
ウイルスを保有する野生のコウモリやアライグマに噛まれることによって、
人が狂犬病に感染するケースが報告されています。
☆レプトスピラ症
人への感染経路・・・主に経口感染で菌を保有している犬の尿に
触れることによって体に付着した菌が体に入るなど。
人間の場合、「ワイル病」と呼ばれていて、レプトスピラという細菌によって発症し、
突然の高熱や、頭痛、血尿を引き起こしたり、時には黄疸を併発して
死に至ることもあります。レプトスピラ菌は、高い確率でげっ歯類が保菌していますが、
げっ歯類には特に異常をもたらさず、その尿によって他の動物へと感染していきます。
げっ歯類から犬への感染は、犬の住居内にねずみが侵入することによって
住居内が汚染されて感染するケースや犬を野山に連れて行って
汚染された土壌に触れたり沼や水田の水などを飲むことによっても感染します。
そして、犬から人への感染は、犬の尿に触れたことによる感染や、
犬に口移しで食べ物を与えるなどの濃厚な接触によって感染します。
犬の場合、任意のワクチン接種で予防が可能です。
次回も感染症の代表的なものの紹介と、
飼い主さんが気をつけなければいけないことを書いていく予定です。
病気はかかってから治すのではなく、かからないよう予防することがまず第一です。
動物たちのため、自分のためにも最低限の知識は必要ですね