フィラリア・ノミ・マダニの予防をお忘れなく!

2015/09/10

フィラリア予防に関しては蚊が飛び始めてから1ヶ月以内に投薬を始めて、蚊がいなくなった時 期から1ヶ月後までの投薬が理想です。当院では5月から12月までの投薬を推奨しています。ノミ・マダニ予防に関してはスポットタイプの予防薬を首筋に滴 下しておけば、ノミやマダニが身体に付いても吸血や繁殖は防げます。4月から11月までが推奨される予防期間です。しかしノミ・マダニが感染するのは夏だ けではありません。暖かい室内では冬でもノミは繁殖しますし、野外がまだ寒い時期でもマダニがいることもあります。そのため理想としては、通年の予防をお すすめ致します。1~2ヶ月に1度、定期的に投薬してあげましょう。
フィラリアとは、心臓に寄生する体長10~30cmにもなるそうめん状の虫です。蚊によって媒介され、寄生すると心臓、肝臓、腎臓、肺など多くの臓器に異 常をきたし、食欲不振、体重減少、咳、貧血、腹水などさまざまな症状をあらわします。犬・猫・フェレットともに感染します。
また、フィラリア予防の前には、前の年にきちんと予防出来たかどうか確認のために、成虫抗原検査を行う必要があります。フィラリアに感染していることを知らずに予防薬を飲ませると、一度に大量の子虫(ミクロフィラリア)が駆虫されることでショック症状を引き起こしたり、最悪の場合は死亡する事もあるからです。
そ して、ノミ・マダニによる吸血は、かゆみなどの不快感を与えるだけでなく、犬や猫、人間にも多くの病気を媒介します。いずれも非常に小さいので見つけるこ とは困難です。特にノミの成虫は、わずか5%程度で、卵や幼虫、さなぎ等が95%も存在していると言われています。つまり飼育している動物に5匹のノミを 発見したら、飼育環境には成虫予備軍(卵や幼虫、さなぎ)が95匹分も存在しているとお考えください。
気温の上昇に伴い、ノミ、マダニ、蚊などの吸血する虫が増えてきます。これらの虫は動物にとって不快で、ノミ・マダニなどの外部寄生虫に刺されたところは 炎症を起こすだけでなく、他の病気の原因やアレルギーを引き起こしたりしますので予防がとても大切です。

【ノミアレルギー性皮膚炎】
吸血により、その唾液成分が体内に入ることで、アレルギー反応がおこり、激しいかゆみや湿疹、脱毛などを伴う皮膚炎を示すようになります。
【瓜実条虫(サナダムシ)】
ノミの幼虫が条虫の卵を食べ、その体内で発育します。成虫になったノミを犬や猫がグルーミングなどで食べてしまうことにより小腸に寄生し、下痢や嘔吐の原因になります。瓜実条虫はヒトにも感染しますので、ノミのいない環境をつくることが大切です。
【犬バベシア症】
マダニが媒介する感染症で、バベシア原虫が赤血球に寄生、破壊することによる貧血、発熱、食欲不振や黄疸などがみられ、死に至ることもある恐ろしい病気です。治療をおこなってもバベシア原虫が体内から完全に消失することはありません。
【猫ヘモバルトネラ症】
マダニやノミが媒介する感染症で、猫の赤血球表面に寄生するヘモバルトネラというリケッチアが原因となり、貧血、発熱、元気消失などの症状がみられます。
【ライム病】
マダニからペットや人にも感染します。犬では、主に神経症状、発熱、食欲不振などの症状がみられます。